就業規則サンプル
就業規則 第2章 服務規律のサンプルです。
第2章 服務規律
- 第5条 服務の基本原則
- 第6条 順守事項
- 第7条 ハラスメントの禁止
- 第8条 所持品の検査
- 第9条 パソコン及び携帯電話の使用
- 第10条 個人情報の取り扱い
- 第11条 機密の保持
- 第12条 兼業等の禁止
- 第13条 競業避止義務
- 第14条 事故報告
- 第15条 出勤禁止等
- 第16条 職務発明
第2章 服務規律 サンプル
第5条 (服務の基本原則)
社員は、会社の方針、諸規則を順守し、会社の指揮命令に従い、職務遂行にあたっては全力を挙げてこれに専念するとともに、相互に協力して会社の発展と社員の福祉の向上に努めなければならない。
第6条 (順守事項)
社員は、次の事項を守り、職場の秩序を維持し、業務の正常な運営を図らなければならない。
- @常に健康に留意し、誠意誠実を持って業務を遂行すること
- A服装・身なりは、常に清潔を保ち、他人に不快感を与えないこと
- B勤務中は職務に専念し、みだりに勤務の場所を離れないこと
- C許可なく職務以外の目的で会社の施設、物品等を使用しないこと
- D酒気をおびて就業するなど社員としてふさわしくない行為をしないこと
- E職務に関連して自己の利益を図り、又は他より不当に金品を借用し、若しくは贈与を受けるなど不正な行為を行わないこと
- F会社の名誉又は信用を傷つける行為をしないこと
- G許可なく、会社の施設内において、会社の業務に関係のない政治活動、宗教活動等を行わないこと
- H職場の整理整頓に努め、常に清潔を保つこと
- I会社の施設、物品等を大切に取り扱うこと
- J会社の保有する情報を適正に管理するため、情報関連機器等の取り扱いについて会社の指示に従うこと
- K許可なく、日常携帯品以外の物品を社内に持ち込んだり、会社の物品及びデータ等を社外に持ち出したりしないこと
- L定められた場所以外で喫煙しないこと
- M前各号のほか、これに準ずる行為など社員としてふさわしくない行為をしないこと
- この他にも、会社として守って欲しいことがあれば、規定しておいて下さい(例えば、マイカーの業務使用を原則禁止すること、酒気帯び運転の禁止、等も考えられます)
- マイカーの業務使用やマイカー通勤せざるを得ないときは、一定の自動車保険に加入することを義務付けます
第7条 (ハラスメントの禁止)
職場におけるセクシャルハラスメント(以下「セクハラ」という。)は、相手方の意に反する性的言動で、それによって仕事を遂行する上で、一定の不利益を与え又は就業環境を悪化させる次のようなものをいい、同じ職場に働く社員の働く意欲を阻害し、職場の秩序を乱し、職場の環境を悪化させるものであり、社員はいかなる場合でもセクハラに該当するか、該当すると疑われるような行為を行ってはならない。尚、セクハラの相手方については、異性のみならず同性も該当する。
- @人格を傷つけかねない、又は品位を汚すような言葉遣いをすること
- A性的な関心の表現を業務遂行に混交させること
- Bヌードポスターや卑猥な写真及び絵画類等を見ることの強要や配布又は掲示等をすること
- C相手が返答に窮するような性的な冗談やからかい等をすること
- D私的な執拗な誘いを行い、又は性的な噂話若しくは経験談を相手の意に反して会話すること
- E性的関係の強要、不必要な身体への接触又は強制猥褻行為等を行うことの他相手方の望まない性的言動により、円滑な職務の遂行を妨げると判断される行為をすること
2) 職場におけるパワーハラスメント(以下「パワハラ」という。)とは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与え、職場環境を悪化させ又は他の社員に雇用不安を与える行為等で、具体的には次のようなものをいう。
- @相手を傷つけるような暴言や、叩いたり、蹴ったりするような暴力をすること
- A法令違反の行為を強要すること
- B仕事上のミスについて、しつこく責め続けること
- C大勢の社員が見ている前で、責め続けること
- D大声で怒鳴ったり、机を激しく叩いたりすること
- E仕事を与えなかったり、無視したりすること
- F業務上必要のないことを強制すること
- G本人が嫌がる噂を広めること
- H嫌がらせ行為をすること
- I退職強要すること
- Jプライベートな用事を強引に押し付けること
- Kその他上記に準ずる行為
3) モラル・ハラスメント(以下「モラハラ」という。)とは、陰湿な言葉、態度、文書などのよって、継続的に人格や尊厳を傷つける精神的ないじめ、いやがらせで、具体的には次のようなものをいう。
- @コミュニケーションを拒否して相手を孤立させること
- A仕事を与えなかったり、無視したりすること
- B仕事に必要な情報を与えないこと
4) 社員は、次に示すようなマタニティハラスメントやパタニティハラスメント(以下「マタハラ・パタハラ」という。)をしてはならない。
- @女性社員による産前産後休業その他の妊娠又は出産に関する制度又は措置の利用に関して就業環境を害する言動
- A女性社員が妊娠したこと、出産したことその他の妊娠又は出産に関して就業環境を害する言動
- B育児・介護に関する制度又は措置の利用に関して就業環境を害する言動
5) 社員はいかなる場合でも前4項のハラスメントに該当するか、該当すると疑われるような行為を行ってはならない。
6) 社員はハラスメントに関する相談及び苦情処理を所属長又は責任者を通じて会社へ申し立てることができる。
7) 会社は、相談や苦情があった場合、人権に配慮した上で、必要に応じて被害者・加害者、上司・同僚等に事実関係を聴取し、役員会にて、事実認定を行い、それに基づき、問題解決及び再発防止のために懲戒処分を含め必要な措置を決定し、実施する。
- 近年、ハラスメントに関するトラブルが多く発生しています。これらの防止対策としての御社で定めた雇用管理上の措置を記載して下さい(ハラスメントごとに防止規定を定めることも考えられます)
第8条 (所持品の検査)
危害予防その他職場秩序保持のため必要な場合に、会社は社員の所持品を検査することがある。
2) 前項の場合において、所持品の検査を求められた社員は、正当な理由がなければ拒むことはできない。
- 上記は、検査だけですが、もし、不適切な物品等を会社に持ち込み、或いは持ち出そうとしたときには、会社が一時保管する、或いは没収することも規定しておいた方が良いかもしれません
第9条 (パソコン及び携帯電話の使用)
社員は、パソコン及び業務用携帯電話を悪用し、又は私用してはならない。
2) 会社は、業務上の必要性がある場合は、会社貸与機器による電子メールの内容および電子機器を監視・監査することがある。社員は現在のITに関する社内規則に従わなければならない。
- 全面的に禁止するのか、一部の私的利用を認めるかを定めます
- 個人所有の携帯電話を業務に用いる場合は、費用補助するのかどうか、補助する場合は、いくら補助するのかを定めます
- 電子メールやインターネット利用など、ITに関する社内規則を別途作成し、ルールを明確にしておく必要があります
第10条 (個人情報の取り扱い)
社員は、会社が業務上取扱う個人情報及びマイナンバーについては、別に定める「個人情報保護規程」や「特定個人情報取扱規程」に従い適切に取り扱わなければならない。
- マイナンバー法が施行され、また、個人情報保護法も改正され、個人情報関係の取扱はより厳しくなっていますので、大量の、或いは、不特定多数の個人情報を取扱う組織においては、別途厳格な規程を作成すべきです
第11条 (機密の保持)
社員は、就業中はもとより退職後といえども在職中得た業務上の秘密、知識情報を他に洩らしてはならない。
- 退職後も守秘義務があることを規定しておくことが必要です
- 退職社員から守秘義務誓約書を提出させることも検討して下さい
- 特に重要な機密があるときは、より厳格な規定が求められます
第12条 (兼業等の禁止)
社員は、会社の命令又は許可を受けないで、他の会社、団体等の役員若しくは社員を兼務し、或いは会社の利益に反するような業務を行ってはならない。
- 兼業・副業を緩和して、許可制から届出制にすることも考えられます
但し、その場合でも、労務提供上の支障がある場合、企業秘密が漏洩する可能性がある場合や競業する場合等において、禁止又は制限することがある旨規定しておきます
第13条 (競業避止義務)
社員は、退職後半年間は、会社の承認を得ることなく会社と競業する事業を起業すること及び競業他社へ転職等をしてはならない。但し、社員の範囲は、課長以上の役職者とする。
- 同業他社に転職したり、同業を自身が開業したりした場合に、退職金を減額又は没収するには、退職金規程にその旨を明確に規定しておくことが必要です
(場合により、更に、損害賠償請求や競業行為の差止も可能となり得ます) - この義務は、職業選択の自由と対立するものなので、規定してあれば、義務違反が当然認められるというわけではなく、その場合でも、競業制限の必要性や範囲等の規定内容が合理的かどうかが判断されます
(裁判例では、職業選択の自由が優先されるケールが多いようです)
第14条 (事故報告)
社員は、次の各号の事故、災害等を発生させ、又は被災したときは、速やかに報告し、上長の指示を受けなければならない。
- @社用車により交通事故を発生させたとき
- A出張中事故により被災し、又は病気にかかったとき
- B業務中に身体の異常が生じたとき
- C通勤途上、交通事故を発生させ、又は被災したとき
- Dその他前各号に準ずる事故が発生したとき
第15条 (出勤禁止等)
次の各号のいずれかに該当する社員に対しては、出勤を禁止し、又は退出を命じることがある。
- @酒気を帯びる等職場の風紀を乱す者
- A法令上就業を禁止されている病者その他就業させることが安全衛生上不適切と認められる者
- B凶器その他職務に必要でない危険物を携帯する者
- Cその他前各号に準ずる程度の事由により、出勤を禁止し、又は退出させることが必要であると会社が判断した者
第16条 (職務発明)
社員がその通常又は特別の職務において、発明もしくは考案し、又は意匠その他の知的創作をした場合、それらは、会社に帰属するものとし、且つ、それらを会社又は会社の指定する者に譲渡しなければならない。
- 平成28年4月の改正特許法により、予め契約等を締結することで、職務発明について会社に特許を受ける権利を取得させることを定めることも可能になりました
この他にも、社内のルールや約束事について漏れなく規定して下さい。