就業規則サンプル
就業規則 第4章 労働時間・休日のサンプルです。(就業規則においては必須項目です)
第4章 労働時間・休日
- 第24条 労働時間及び休憩時間
- 第25条 出退勤時刻の順守及び確認
- 第26条 事業場外みなし労働
- 第27条 休憩時間中の行動等
- 第28条 遅刻、早退、私用外出
- 第29条 休日
- 第30条 休日の振替
- 第31条 非常災害時の特例
- 第32条 時間外および休日勤務等
- 第33条 代休
第4章 労働時間・休日 サンプル
第24条 (労働時間及び休憩時間)
労働時間は、1週間については40時間、1日については8時間とする。
2) 始業・終業の時刻及び休憩時間は、次のとおりとする。
- @始業時刻: 午前8:00
- A終業時刻: 午後5:00
- B休憩時間: 正午より1時間
3) 会社は、業務上やむを得ない場合に、前項に規定した始業、終業及び休憩の時刻を繰り上げもしくは繰り下げることがある。
- 第1項の労働時間は法定労働時間です(所定労働時間をこれより短くするのは自由です)
- バス、タクシー、トラックの自動車運転手には、労働時間の特例が適用されます(詳細省略)
- 常時10人未満の労働者を使用する、@小売業、A映画・演劇業、B病院、C旅館・飲食業、等においては、8時間/日、44時間/週まで労働させることができます
- 労働時間が6時間を超えると45分以上の、8時間を超えると1時間以上の休憩を途中に与えなければなりません
- 部署によって始業・終業時刻が異なるときは、全て記載します
- 交替制勤務があるときは、その制度についての規定が必要です
- 時間外や休日労働時間短縮のために、労働基準法は次の4つのタイプの変形労働時間制を認めています。うまく当てはまるときは、積極的に活用するとよいと思いますが、採用に当たっては、その制度について法の要求を満たすことが必要です ⇒ 変形労働時間制
特に、時間が労働時間の把握について注意して下さい、また、年少者や妊産婦への適用には制限があります
@1ヶ月単位の変形労働時間制
Aフレックスタイム制
B1年単位の変形労働時間制
C1週間単位の非定型的変形労働時間制
第25条 (出退勤時刻の順守及び確認)
社員は、それぞれの始業時刻前に出勤し、始業時刻と同時に業務を開始し、終業時刻まで業務を行わなければならない
2) 社員は、時間外労働の場合を除き、みだりに残留してはならない。
3) 社員は、出勤し又は退勤するときは、タイムカードにより時刻を記録しなければならない。
- 第3項に関連し、労働者の始業・終業時刻をどのようにして把握するのか明確にしておかなければなりません(未払い残業代の紛争になり易い点です)
第26条 (事業場外みなし労働)
社員が、外勤、直帰、出張(、在宅勤務)など就業時間の全部又は一部について事業場外で勤務する場合に、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間を勤務したものとみなす。但し、所属長があらかじめ別段の指示を出した場合はこの限りではない。
2) 前項の事業場外の労働であって、当該業務を遂行するためには常に所定労働時間を超えて労働する必要がある業務について、社員代表と書面による協定を締結した場合においては、協定で定めた時間を労働したものとみなす。
- みなし労働時間が法定労働時間を超えるときは、労使協定書を労基署に届出なければなりません
- 法で定められた専門業務や企画業務には、裁量労働制を適用することができますが、法に準拠して制度を明確にする必要があります
第27条 (休憩時間中の行動等)
社員は、休憩時間中に遠方に外出する場合は、所属長に届け出るものとする。
2) 業務の都合により、休憩時間を一斉に与えることができない場合には、休憩時間を交替制にすることがある。
- 特定の事業を除き、休憩は一斉に取る必要があります。一斉に取るべき事業で一斉に取らないときは、労使協定が必要です
- 休憩中の外出を許可制にしても構いません
第28条 (遅刻、早退、私用外出)
社員は、遅刻、早退若しくは勤務時間中に私用外出するときは、事前に所属長に申し出て許可を受けなければならない。但し、緊急その他やむを得ない事由により事前に申し出ることができなかったときは、事後速やかに届け出て承認を受けなければならない。
第29条 (休日)
社員の休日は次の通りとする。但し、交替勤務者の休日は事業所ごとに別途定める。
- @毎土、日曜日
- A国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)
- B年末年始(12月○日〜1月○日)
- C夏季休日(○月○日〜○日)
- Dその他会社が指定する日
2) 会社が必要と認めたときは、前項の休日の外に臨時休日を定めることがある。
- 法定休日を明確にしておいて下さい(法定休日は1日/週(例外的に4日/4週間)です)
- 交替制勤務や旅館業では、行政通達に従って休日を別途定めます
- 会社の都合で休業した日は、平均賃金の6割以上(就業規則等で定めた割合)の休業手当を支払わなければなりません(1日の所定労働時間の一部を会社都合で休業したときも、就労時間に対する賃金が平均賃金の6割に満たないときは、その差額を支払います)
第30条 (休日の振替)
業務の都合により会社が必要と認める場合は、あらかじめ前項の休日を他の日と振り替えることがある。
2) 休日を振り替える場合は、あらかじめ振り替える休日を指定する。
- 休日を振り替えたときは、休日労働ではなくなりますが、それによって40時間/週を超えたときは、時間外労働となりますので適正に管理する必要があります
第31条 (非常災害時の特例)
災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合においては行政官庁の許可を受け、又は事態急迫のため行政官庁の許可を受ける暇がない場合においては、事後に届出て、その必要限度において労働時間の延長又は休日もしくは深夜に勤務をさせることがある。
- 36協定による時間外労働は、年少者(18歳未満)には認められませんが、この場合は使用できます(妊産婦が請求したときは認められません)
第32条 (時間外および休日勤務等)
業務の都合により、第24条の所定労働時間を超え、又は第29条の休日に労働させることがある。この場合において、法定の労働時間を超える労働又は法定の休日における労働については、あらかじめ会社は社員の過半数を代表する者(以下、「社員代表」という。)と書面による協定を締結し、これを所轄の労働基準監督署長に届け出るものとする。
2) 法定労働時間を超えて労働させた場合及び法定休日に労働させた場合は、賃金規程に基づき割増賃金を支給する。
3) 前項の時間外及び休日労働に関する労使協定にかかわらず、小学校就学前の子の養育又は家族の介護を行う一定範囲の社員で会社に請求した者については、事業の正常な運営を妨げる場合を除き1か月につき24時間、1年につき150時間を超えて労働させることはない。
4) 妊産婦で請求のあった者及び18歳末満の者については、第1項による時間外もしくは休日又は午後10時から午前5時までの深夜に労働させることはない。
5) 前項の社員のほか小学校就学前の子の養育又は家族の介護を行う一定範囲の社員で会社に請求した者については、事業の正常な運営を妨げる場合を除き午後10時から午前5時までの深夜に労働させることはない。
6) 時間外および休日勤務は、所属長の指示により実施するものとし、所属長の指示によらない場合は、原則として、時間外勤務としての取り扱いをしない。
7) 時間外および休日勤務を命ぜられた者は、正当な理由なく、これを拒むことはできない。
- いわゆる残業については、@法内残業、A時間外労働、B休日労働の3つがあります
詳細については、こちら(残業時間と残業代計算)を参照して下さい - 時間外や休日労働をさせるときは、その旨を就業規則に規定し、且つ労使協定(36協定)を締結しなければなりません
- 36協定は、過半数労働組合があるときは、その組合と締結します
- 休日労働と時間外労働は異なり、その時間は、分けて把握しなければなりません
- 三交替制や一昼夜交替制の場合の、時間外労働や休日労働について理解が必要です
- 第2項では、法定労働時間を超えた場合に割増賃金を支払うことにしていますが、所定労働時間を超えたときに割増賃金を支払うのであれば、そのように記載して下さい(労働基準法上は、割増賃金の発生は法定労働時間超の場合です)
- 労働基準法の改正により、時間外労働が60時間/月を超えたときには、50%以上の割増賃金を支払う(代替休暇を与えたときは、通常の25%以上でよい)ことになりましたが、中小企業には適用が猶予されています
- 割増賃金の計算の基礎となる賃金及び計算方法を、法に準拠して、賃金規程で明確にしておいて下さい
- 定額残業代を支給しているときは、何時間分の残業代金か明確にする必要があり、その時間を超えると追加分を支払わなければなりません
- 最近未払い賃金(その多くは未払い残業代)の紛争が増えています。適正な管理が求められます(場合によっては、未払い残業代と同額の付加金の支払いを命じられる恐れもあります)
例えば、いわゆる「名ばかり管理職」には、時間外や休日労働の割増賃金の支払いが必要です(労働時間の適用がない管理・監督者についての判断基準は、厚生労働省から発行されています) - 坑内労働と健康上特に有害な業務(労働基準法施行規則第18条参照)については、1日2時間以上の時間外労働は法で禁止されています
- 出張中の休日は、特に業務の指示がない限り、休日労働とする必要はありません
- 管理・監督者等、労働基準法第41条に定められている者には、法で定める労働時間、休憩、休日の規定は適用されないので時間外や休日労働の割増賃金は発生しませんが、深夜業をしたときは割増賃金の支払いが必要です
- 年少者(18歳未満)や妊産婦には、時間外や深夜業に制限があります
第33条 (代休)
休日勤務した者は、その翌日から2ヶ月以内に代休をとることができる。
- 振替休日と代休は異なりますので、適正な管理が必要です