就業規則サンプル
就業規則 第8章 安全衛生・災害補償のサンプルです。
第8章 安全衛生・災害補償
- 第51条 安全衛生心得
- 第52条 順守義務
- 第53条 非常災害時の措置
- 第54条 健康診断
- 第55条 指定医検診
- 第56条 医師による面接指導の実施
- 第57条 就業禁止
- 第58条 感染症発生の届出
- 第59条 妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置
- 第60条 育児時間
- 第61条 災害補償
- 第62条 業務上外の認定
- 第63条 療養専念の義務
第8章 安全衛生・災害補償 サンプル
第51条 (安全衛生心得)
会社は、社員の安全および衛生確保のため、積極的な措置を講ずるものとし、社員は常に安全および衛生に関する規程および指示を厳守し、労働災害の防止に努めなければならない。
第52条 (順守義務)
社員は災害予防のため、次の各号に掲げる事項を順守しなければならない。
- ①会社が実施する安全関係の教育訓練には必ず参加すること
- ②常に職場と自己の安全に細心の注意を払って行動すること
- ③工場部門の社員は、別途定めた「安全衛生心得」を順守し、回転機器・機械設備の扱いには、特に細心の注意を払うこと
- ④ガス、電気、危険物、有害物質等の取扱いは、所定の方法に従い特に慎重に行うこと
- ⑤消火栓、消火器等の消防設備の設置場所及びその取扱方法を熟知しておくこと
- ⑥通勤時、若しくは業務中に車両を運転する者は、交通法規を順守し常に安全運転を行うこと
- ⑦前各号のほか、安全、衛生に関する所属上長又は管理者の指示に従うこと
2) 社員は、健康の保持向上に努め、衛生管理者その他の関係者の指示に従い、会社の行う健康に関する施策の推進に協力し、且つ指示を励行しなければならない。
第53条 (非常災害時の措置)
社員は、災害その他非常災害の発生する危険を予知し、又は異常を発見したときは、直ちに所属長に通報し、臨機の措置をとらばければならない。自身が事故を起こした場合および遭遇した場合も同様とする。
2) 社員は、火災その他非常災害が発生した場合は、互いに協力してその被害を最小限にとどめるよう努力し、顧客等の避難誘導等適切な措置を講じなければならない。
第54条 (健康診断)
社員に対しては、採用の際及び毎年1回(深夜業その他特定有害業務に従事する者は6ヶ月ごとに1回)、定期に健康診断を行う。なお、健康診断の結果については、当該社員に通知する。
2) 社員は前項の健康診断を受診しなければならない。但し、法令に定める健康診断(人間ドックを含む)を受診し、その結果を証明する書面を提出した場合、この限りでない。
3) 社員は、第1項の規定により実施した健康診断の結果について、会社が診療機関から直接入手することに同意するものとする。
4) 会社は、前項の健康診断結果については、当該社員に通知する。
5) 会社は、健康診断の結果に基づいて精密検査の受診その他社員の健康管理に必要な指示を行うことがある。
6) 健康診断の結果、必要と認めるときは、労働時間の短縮、配置転換その他健康保持上必要な措置を命ずることがある。
- 会社が行う健康診断を、正当な理由がなく拒否する場合、又は他の医療機関で受診した健康診断結果証明書を会社の定める提出時期までに提出しない場合は、業務命令違反となります
- 定期健康診断費用は会社負担ですが、診断時間を有給とするか無給とするかは就業規則等で定めます
- 特殊健康診断やじん肺健診等の対象となる社員がいる場合は、それら健康診断についても規定します
- 従業員50人以上のストレスチェックの対象となる事業場の場合は、ストレスチェックについても規定します
第55条 (指定医検診)
社員が次のいずれかに該当する場合、会社は社員に対し、会社の指定する医師の健康診断を受けさせることがある。
- ①傷病による欠勤が連続7日間を超える場合
- ②長期の傷病欠勤後出勤を開始しようとする場合
- ③傷病を理由にしばしば欠勤する場合
- ④業務の能率、勤務態度等により、身体又は精神上の疾患に罹患していることが疑われる場合
- ⑤その他、会社が必要と認める場合
2) 社員は、正当な理由なく前項の健康診断を拒んではならない。
- 安全配慮義務の観点から、健康に問題のありそうな社員に強制的に健康診断を受診させるための規定です
第56条 (医師による面接指導の実施)
会社は、時間外労働時間と休日労働の合計が1月当たり80時間を超えた社員から申し出があった場合には、医師の面接指導を受けさせるものとする。
2) 前項の面接指導は、原則として会社が指定した医療機関等で所定労働時間外に実施するものとするが、やむを得ないとして会社が認めたときは、所定労働時間内に受診できる。この場合、受診時間は無給とする。
3) 第1項に関わらず、直近1ヵ月に面接指導を受けた等の理由で医師が必要ないと認めた場合は、面接指導の対象から除外する。
4) 会社は、面接指導の結果の記録を作成し、5年間保存するものとする。
- 2019年4月からは、第1項の100時間が80時間に変更されました。また、研究開発業務等には追加の規制があります
第57条 (就業禁止)
次の各号に掲げる伝染病の疾病その他の疾病にかかった者は、就業させない。
- ①病毒伝ぱの恐れのある伝染性の疾病にかかった者
- ②精神障害のために、現に自身を傷つけ、又は他人に害を及ぼす恐れのある者
- ③心臓・腎臓・肺等の疾病で労働のため病勢が著しく悪化、進行する恐れのあるものにかかった者
- ④その他医師が就業不適当と認めた者
- 有給にするか、無給にするのかを決めます
- 例えば新型インフルエンザの感染防止対策として、感染者が出た職場の従業員を感染の確定を問わず一斉に休業させるなどの場合には休業手当の支払義務が生じます
第58条 (感染症発生の届出)
社員は、同居の家族又は同居人が他人に伝染するおそれのある疾病にかかり、又はその疑いのある場合には、直ちに所属長に届出て、必要な指示を受けなければならない。
第59条 (妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置)
妊娠中又は出産後1年を経過しない女性社員から、所定労働時間内に、健康診査又は保健指導を受けるために請求があったときは、必要な時間を与える。
2) 妊娠中又は出産後1年を経過しない女性社員が、健康診査等を受け、医師等から指導を受けた場合は、その指導事項を守ることができるようにするために、勤務時間の変更等の措置を講ずるものとする。
3) 前2項の措置のうち、通院時間、勤務時間の短縮及び休業の措置中の賃金の取り扱いは、(有給・○%有休・無給)とする。
- 有給にするか、無給にするのかを決めます
- 妊産婦には、危険有害業務への就業制限があります
第60条 (育児時間)
満1歳未満の乳児を養育する女性社員から請求があったときは、休憩時間のほか1日について2回、それぞれ30分の育児時間を与える。但し、1日の労働時間が4時間以内の場合には、1日1回限りとする。
- 育児時間の付与は、法に定められています
- 有給にするか、無給にするのかを決めます
第61条 (災害補償)
社員が、業務上の事由又は通勤により負傷し、疾病にかかり、又は死亡した場合は、労働基準法及び労働者災害補償保険法に定めるところにより、災害補償を行う。
- 業務上災害で休業する場合、労災保険から休業補償給付が行われるため、休業中の賃金は無給とする会社が多いと思います。但し、最初の3日間は労災保険の休業補償給付が行われないので、会社が平均賃金の60%以上の休業補償を行う必要があります
- 労災上乗せ保険等により法定外災害補償を行うときはその旨記載し、内容についても明記します(社員から損賠賠償請求があったとき、労災保険給付や法定外災害補償が損害賠償額から控除されることを規定しておきます)
第62条 (業務上外の認定)
負傷又は死亡の原因が業務に起因したものであるか否かは、その発生状況および原因を調査して会社が決定する。業務上の疾病の範囲は、労働基準法施行規則第35条の規定による。
2) 前項により会社が決定することができないときは、所轄労働基準監督署長の認定を受けるものとする。
第63条 (療養専念の義務)
社員は、業務上の負傷又は疾病により休業するときは、療養に専念しなければならない。